雇用者は会社から搾取されるようになる

今の会社は「搾取工場」となります。この言葉でわかるように、近年ホワイドカラー層の労働がいかにひどい状態に追いやられているのかをレポートし、分行したものです。

ピックさんも述べていたように、アメリカ企業は不況・三三万人員削減、レイオフなどのリストラを強行し、また臨時労働者を導入し、アウトソーシングを進めました。その結果、会社に残った労働者に大きなしわ寄せが来ているというこです。

ブレイザーさんが最初にあげた例は、IBMの40代初めのベテラン女性社員です。彼女は、管理職になったときに二四時間の「オンコール(いつでも呼び出しに応じられる勤務)」のローテーションに組み込まれました。

すると夜中の2時にお客さんから電話が入って、翌朝の8時にはオフィスに行かないといけなくなります。しかも帰宅は夜の8時、9時。その結果、脊椎の病気になり、手術を余儀なくされました。それでも本人や周囲は一人前になるためにはこれくらいしなければ、という雰囲気だったといいます。

ところが、経営の状況の悪化や株価のダウンにより労働条件はさらに悪くなります。一日二時間オフィスで働いて、それから帰宅して仕事のメールと留守電をチェックするという状況が続きます。

彼女は慢性の疲労とストレスで、脊椎症の手術をさらに二回行うことになり、子供が欲しかったのに妊娠できない身体になってしまいます。