旅のプロは信頼性重視
経済誌『週刊ダイヤモンド』の「九八年エアラインこフンキング」では、旅行会社社員の選んだ項目ごとのランキングが掲出されている。
〈信頼感〉ベスト ①日航 ②全日空 ③シンガポール
ワースト ①ガルーダ ②アエロフロート ③大韓
〈快適性〉ペスト ①日航 ②シンガポール ③全日空
ワースト ①アエロフロート ②ノースウェスト ③大韓
〈娯楽性〉ベスト ①日航 ②ヅアージン ③シンガポール
ワースト ①アエロフロート ②中国東方 ③中国国際
〈サービス〉ベスト ①日航 ②全日空 ③シンガポール
ワースト ①ノースウェスト ②ユナイテッド ③アエロフロート
〈機内食〉ベスト ①日航 ②シンガポール ③全日空
ワースト ①ノースウェスト ②アエロフロート ③中国国際
〈マイレージ〉ペスト ①ユナイテッド ②ノースウェスト ③アメリカン
ワースト ①中国国際 ②全日空 ③日本エア
〈料金〉ベスト ①シンガポール ②ノースウェスト ③ユナイテッド
ワースト ①日航 ②カンタス ③中国東方
〈利便性〉ペスト ①日航 ②ユナイテッド ③BA
ワースト ①アエロフロート ②中国国際 ③中国東方
これをみると、ロシア、中国、韓国、アメリカ企業のマイナス点が高い。中国の本土系エアラインはサービス以前の問題で、まずは国際レベルのサービスを学んでほしいものだ。
同じ号で、ビジネスマン(一八二人。平均の出張回数は年間ご丁四回)の調査も掲載されているが(回答者の層からしてビジネスクラスとエコノミークラスを対象にしているものと推定される)、順位は
①シンガポール ②日航 ③全日空 ④ヴァージン ⑤BA
⑥ユナイテッド ⑦アメリカン ⑧KLM ⑨カンタス ⑩スイス
となっている。上位三社に対するビジネスマンの評価項目は、①サービスの質、②安全性の高さ、③機内の清潔感、機内食である。
ヴァージンに対してはエンターテイメントが一位、ユナイテッドにはマイレージと料金が評価のほとんどを占めているのが特徴的だ。KLMは肩肘を張らずさりげないサービスが好評を得ている。
日航はプラスの得点だけなら堂々のトップなのだが、マイナス評価の八三ポイントが響いて二位に甘んじることとなった。マイナス評価の声としては、「機内サービスが過剰。機内販売のアナウンスがしつこい」「外国人と日本人とのサービスに差
が歴然」などであるが、「子供連れに甘い」との声も。
ところで、最近の新しい傾向で興味深いのには、米国ではエアラインの評価基準に従業員の職場環境が挙げられていることだ。サービスの質、信頼性、財政状態に加えて、社員が気持ちよく高いモラールで働くには職場環境が重要だと認識されるようになった。
その結果、米国内企業では①サウスウェスト ②デルタ ③アメリカン ④ユナイテッド ⑤コンチネンタルが、外国企業では①シンガポール ②ルフトハンザ ③SAS ④KLM ⑤カンタス⑥BA ⑦ヴァージン ⑧スイス ⑨日航 ⑩エアーカナダと評価された調査もある(調査会社ハリスーインタラクティブ、二〇〇〇年)。