世界の大空港はどこか

世界最大の旅客を取り扱う空港はどこだろうか。ベスト10を調べてみると、次のような結果となる(一九九九年実績)。

  ①アトランターハーツフィールド 七七九四万人
  ②シカゴーオヘア        七二五七万人
  ③ロサンゼルス         六三八八万人
  ④ロンドンーヒースロー     六二二六万人
  ⑤ダラスーフォートワース    六〇〇〇万人
  ⑥東京・羽田          五四三四万人
  ⑦フランクフルトーアムーマイン 四五八六万人
  ⑧パリーシャルルードーゴール  四三六〇万人
  ⑨サンフランシスコ       四〇三九万人
  ⑩デンバー           三八〇三万人

ペスト10のうち六つが米国の空港ということからも、米国が航空大国であることを改めて認識する。トップのアトランタは、コカコーラ、CNNなどの本社所在地であるばかりでなく、パーツフィールド空港は東部と南部、南部と西部を移動する乗客が乗り換え空港として利用するデルタ航空の本拠地だ。

この表を見て不思議なのは、世界の大都市ニューヨークの空港がベスト10に入っていないことではないだろうか。実はニューヨークには大空港だけでも、ケネディニューアーク、ラーガーディアの三空港があり、合計すると八九五七万人でアトランタを抜く。

同様に東京も成田を加えると八〇〇一万人でニューヨークに次ぐことになるのだが、ロンドンのガトウィック、スタンテッド空港を加えた一億二二九万人にははるかに及ばない。したがって、都市としてはロンドンが最大だ。

空港の敷地面積からすると、

  ①モントリオールーミラベル 三万六〇〇〇ヘクタール
  ②デンバー         一万三七〇〇ヘクタール
  ③クアラルンプールーセパン 一万    ヘクタール
  ④ダラスーフォートワース    七〇八二ヘクタール
  ⑤オーランド          五八六九ヘクタール

がベスト5となるが、ミラペルの面積はほとんどが森林で、空港機能に使用しているのは七〇〇〇ヘクタールだけだ。思い切った広さを確保したものの、都心から遠い(五五キロ)ことで嫌われ、ついに貨物空港に落ち着いてしまった。

事実上世界最大のデンバー空港は、山手線内の面積の二つ分という途方もない広さで、最終的には滑走路が計画されている。現在は六本目の滑走路を建設中だが、長さは四八〇〇メートルで超音速旅客機への対応を目的としている。セパンの一万ヘクタールは最終計画で、現在は第一期の三〇〇〇ヘクタールが完成しているにすぎないが、マレーシアの新空港にかける意気込みが表れている。

世界の主要空港は滑走路を二十四本もち、広さは二〇〇〇ヘクタールが標準である。国を代表する空港が滑走路一本しかないという国は、少なくとも先進国には日本以外ない。日本は、成田が滑走路一本・広さ七一〇ヘクタール(全体構想では三本でI〇六五ヘクタール)、関西空港一本・五一〇ヘクタール(二〇〇七年に完成予定の二期と合わせて一〇一〇ヘクタール)である。

日本が世界的レベルとして胸を張れるのは羽田(三本・一二七一ヘクタール)だけだが、国際線のネットワークはない。