コーポレイトーアイデンティテイは企業をかえる

旧い職人の世界では、優れた熟練や技能の伝承は親方が個人の個性を踏まえて伝統の型に新しい芸術文化の創造性を盛り込ませることよりも、親方が造り上げた伝統の型を忠実に弟子に再生させることを、しばしば優先してきました。これは日本だけのことではありませんが、一種の閉鎖的な性質です。

日本では長い歴史的な伝統の力が強力に残ってきましたから、日本の伝統文化は、どちらかといえば、個人の自己実現を尊重するよりも、むしろ個性を表にだすことを抑制してきたという、やや「負の伝統」をもってきた側面も決して無視することはできません。日本文化の伝統には形式を重んじるあまりに個人の自己主張や個性の自己抑制を美徳として位置づける根強い習慣があったからです。

ですから個性を尊重しあう文化的な雰囲気を人々が求めたとしましても、このような雰囲気が出てきて社会全体にひろがってゆくには、いくつかの条件が必要でした。そして文化を優先する社会のシステムを構築して、このシステムの構築のために社会の資源を優先的に配分するという世論はどのようにすれば形成されるか、このための国民の合意はどのような条件のもとで可能になるのかを将来は必ず考えなければならなくなることでしょう。このような課題を解く上でも文化経済学の発展が強く求められています。とりあえず、新しい日本文化再生の条件を探ってみましょう。

先に見たように現代日本国民は、ココロのゆたかさを重視する方向に生活を変えようとしています。これは消費財を買うときにどのような新しい方向を示しはじめるのでしょうか。ひとつの傾向はモノを買うときに従来以上に便利で満足感のえられる「高付加価値製品」を求め、製品の色彩や形に対して人間との対話に匹敵する臨場感や緊張感を要求するようになったことが挙げられます。グラスをひとつ買う場合でも単に「飲料がはいればいい」という感じでカネを支払う人は少なくなり、美しい色、奥行を深めるカットやデザイン、手ざわりや親しみやすい形状、家具との調和、部屋の雰囲気の演出との関連など自分の好みや個性や生活のスタイルにとってかけがえのないグラスを求めるようになるでしょう。

このような高付加価値製品のイメージは、これを製造したり輸入したりする企業のブランドと広告や宣伝のシステムと密接に結びついていることが多いのです。そこで企業にとっては、「この企業でなければつくれない」というエクセレントな製品のイメージを印象づけるためにCI=コーポレイトーアイデンテイテイを重視した経営戦略を立てざるをえません。また企業が人材を確保するためにもCIが明快であることが企業に安定感を抱かせて魅力を増すことにつながります。

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